市長施政方針並びに提案理由説明要旨(平成21年3月市議会定例会)

平成21年3月市議会定例会(3月5日)

(はじめに)

 本日ここに、平成21年第3回市議会定例会の開会にあたり、今後の市政運営に関する私の所信の一端を申し上げ、市議会議員各位並びに市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

議場で施政方針演説を行う竹腰市長

  さて、平成17年10月に新生大田市の初代市長として、市民の皆様の信託を得、市長就任以来、新市の融合一体化を基本に、大田市の発展と飛躍に向け、渾身の努力を傾注してまいりました。

 平成18年度を「まちづくり元年」とし、向こう10年を見据えた大田市総合計画をはじめ、様々な分野の計画を策定し、新たなまちづくりに向けて、市民と行政との協働によるまちづくりを基本に着実に前進させてきたところであります。
 特に、定住促進、その柱としての産業振興、子育て支援をはじめ、情報通信網、道路、公共下水道などの生活基盤の整備、小・中学校及び公民館の再編、教育、医療、福祉等々、今後の大田市のまちづくりに極めて重要な課題を中心に全力で取り組んでまいりました。

 私は、現地現場主義を信条として、自ら先頭に立ち、可能な限り事業の現場や市民の皆様とふれあえる場へ足を運び、直接自分の目で見て、耳で聞き、実状を把握しながら、新しいまちづくりを推進してまいりました。
 平成21年度は、私の市長任期の最終年度であります。大田市の自立・発展に向け、さらに前進する節目の年にしなければならないと、決意も新たにしているところであります。

 今、金融危機に端を発した世界的な景気後退により地域経済は急速に悪化しており、地方自治体の果たす役割がますます重要となっております。こうした状況の下でこそ、住民サービスを低下させることなく、地方の元気を回復させ、産業振興や雇用創出など地域の活性化につながる施策を果敢に実行することが私に課せられた使命であります。
 「魅力」、「活力」、「協力」のまちづくりの基本姿勢を市民の皆様と共有しながら、大田市総合計画に掲げた「自然・歴史・ひとが光り輝く だれもが住みよい 県央の中核都市」実現に向け、粉骨砕身邁進する決意であります。

 (市政運営の基本方針)

 続いて、私が市政を進めるにあたって柱となる基本方針について申し述べます。

 百年に一度とも言われる世界的な金融危機の影響を受け、国内経済においては、景気が急激に後退、雇用不安が生じ、未だかってない先行き不透明な情勢となっております。
 当市におきましても、これらの景気後退の波が押寄せ、雇用情勢、並びに企業の資金繰りの悪化等、大変厳しい状況におかれております。
 こうした現下の厳しい経済、雇用情勢に対応するため、昨年末に、私が自ら本部長となる「大田地域緊急経済対策本部会議」を設置し、関係機関と連携を密にしながら企業支援や生活支援、雇用や景気対策等の総合的な対策を講じてまいりました。

 まず、1月には市内中小企業の資金繰りに対しての支援、離職者等への臨時的な緊急雇用対策を、また2月には、国の2次補正予算に盛り込まれた各種事業の活用を図り、市独自の商品券の発行、住宅リフォーム事業への助成や公共事業の前倒し等々、緊急の経済対策を実施してまいったところであります。これら補正予算や新年度予算において盛り込みました、景気浮揚や生活支援策など切れ目なく対策を講じ、一日も早くこの厳しい経済、雇用状況から脱却できるよう総力を挙げて取り組んでまいります。
 併せて、これまで進めてまいりました、産業振興ビジョンに基づく、地域経済の活性化に向けた各種産業振興施策の取組みを一層強化してまいります。

 石見銀山遺跡につきましては、世界遺産登録後2年目が経過いたしますが、これまで観光客は飛躍的に増加し、県内外から多くの来訪者で賑わい、産業活動、教育・文化活動など、新たな取組みが活発化し、様々な可能性が広がっています。引き続き、受け入れ体制づくりに万全を期すとともに、遺跡を守り、育み、活かす取組みを前進させてまいります。
 世界遺産センターは、昨年10月のフルオープン以来、当初の予想を上回る来館者で賑わっています。今後とも石見銀山遺跡全体のインフォメーションセンター、学習、調査・研究の拠点として、一層充実を図り、世界遺産センターを核に世界遺産にふさわしい石見銀山らしい整備を着実に進めてまいります。

 また、私が市長就任以来すすめていました市民の皆様と行政とがともに地域課題の解決に取り組む「協働のまちづくり」をさらに推進すべく、この4月から、市内全地域にまちづくりセンターを設置するとともに、それをサポートする機関として7つのブロック単位に、まちづくり支援センターを設置いたします。この新たな地域サポート体制により、身近な行政サービスの提供や地域づくり活動の支援を充実させてまいります。

  本年は、真の地方分権の実現に向けての第二期地方分権改革が一層本格化し、自治体の更なる自立に向けての動きや現行の過疎地域自立促進特別措置法の期限切れに伴う新たな取組みも活発化する等、少子高齢化や中山間地におけるコミュニティなどの諸課題が全国に先駆けて進行する当市にとりまして極めて重要な年になると考えています。
 新生大田市の初代市長として、残された期間中、引き続き最小の経費で最大の効果が得られるよう、行財政改革を推進し、大田市の自立発展に向け、全庁一丸となって取り組んでまいります。
 議員各位、並びに市民の皆様には、格別のご理解とご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。

 (主要施策) 

 以上申し述べました市政運営の基本的な考え方を踏まえて、総合計画に掲げる6つの基本方針に沿って、主要施策の概要について申し上げます。

 第1は、「地域資源のネットワークによる活発な産業づくり」であります。

  「産業の活性化無くして地域の自立発展なし」の考え方のもと、産業振興ビジョンに掲げる活力みなぎる産業振興施策に全力で取り組んでまいります。
 まず、産業の創出と育成についてであります。
 石見銀山や三瓶山をはじめとする豊かな自然や歴史などの地域資源を有効に活かし、その事業化に向け活用策を検討する産学官の連携を一層進めてまいります。
 その上で、次代の産業を担う人材育成を基本とし、大田産品の競争力を高め、県外で通用する商品づくりと販路拡大を図るため、おおだブランドづくりを進めます。
 さらに、産業振興アドバイザー制度、ふるさと大田創業支援事業等の活用によって、おもてなしの充実によるホスピタリティの高い地域を創り出します。
 また、メイドイン大田創出支援事業などの実施によって新たな技術や資源を生かした新産業の創出を図ると同時に、地域や環境にやさしく未来へつなぐ産業の育成に努めてまいります。

  次に、企業誘致活動の推進と地場産業の振興についてであります。
 昨年秋以降、景気は極めて厳しい状況下にありますが、企業誘致と既存の誘致企業のフォローアップにつきまして、私自身が先頭にたって企業に出向き、企業のニーズや動向の情報収集に努め、対応し、活動してまいります。
 地場産業の振興については、地元での買い物、地産地消の促進を図り、窯業や建築関連業界などの受注を促すなど、総合的な支援対策に取り組みます。

 次に、観光産業の推進についてであります。
 昨年12月に策定しました「大田市新観光計画」に基づき、官民連携による一体的な情報発信や広域的な観光ネットワークである「なつかしの国石見」、「山陰文化観光圏」の取組みを強化し、滞在型の観光を目指してまいります。
 また、三瓶地域については、財団法人大田市保養施設管理公社の解散に伴う、所有資産の取得、関係施設における新経営体制の確立を行うとともに、魅力ある三瓶の再生に向けての体制整備を図ってまいります。
 さらに、仁摩サンドミュージアムをはじめ、関連施設につきましては、施設及び設備の改修により、来訪者及び利用者の利便性の向上と環境整備に努めてまいります。

 次に、農林水産業の推進についてであります。
 農家の高齢化や後継者不足に対応するため、昨年4月に設置しました農業担い手支援センターを中心として、引き続き、関係機関の連携を強化し、認定農業者の育成や集落営農組織の育成、耕作放棄地の解消に向け取り組んでまいります。
 森林の再生・整備につきましては、森林(もり)づくり交付金事業等を活用し、路網の整備や高性能林業機械を導入し、作業の低コスト化を図り、林業の活性化に取り組んでまいります。
 そのほか、環境にやさしい循環型農業の推進と耕種農家の生産コストの軽減を図るため、新たに鶏糞たい肥のペレット製造の設備に対し支援を行なってまいります。
 さらに、地元の新鮮な農水産物や、その加工品などについて、生産から出荷、販売体制の強化に向けた支援を行うことによって消費の拡大と販路開拓に取り組んでまいります。

 第2は、「だれもが住みよく、安心・やすらぎを感じる生活づくり」であります。

 まず、子どもを健やかに産み育てることのできる環境づくり、子育て支援策の充実に努めてまいります。
 子育てにおける経済的負担の軽減につきましては、新年度より、3歳未満の子どもに係る医療費の自己負担額について、無料化を実施いたします。
 さらに、安心して妊娠・出産ができるよう、妊婦健診にかかる公費負担の回数を現在の5回から14回に拡充いたします。
 また、第3子以降の3歳未満児の保育料の無料化を継続して実施いたします。
 子育て支援サービスの充実につきましては、生後4ヶ月までの乳児がいるすべての家庭を訪問し、子育て支援に必要な情報提供等を行う「こんにちは赤ちゃん訪問事業」を新年度より実施いたします。
 地域で支える子育てにつきましては、小規模な放課後児童クラブに対し、支援を行い、子どもの居場所づくりの拡充に努めるとともに、子育てに必要な情報発信の充実やファミリーサポートセンターの会員拡充を図り、子育て支援体制の整備に努めてまいります。
 保育サービスにつきましては、新たに延長保育に取り組む民間保育所へ支援を行い、一時保育や休日保育などの特別保育事業を引き続き実施してまいります。
 さらに、新年度は、大田市次世代育成支援行動計画、保育所整備計画の中間年にあたることから、それぞれの計画の見直し等を行い、22年度から26年度までの後期計画の策定に取り組んでまいります。

 次に、地域医療の充実・確保についてであります。
 まず、最重要課題であります医師・看護師等の確保につきましては、昨年より大田市立病院内に医療対策課を設置し、鋭意取り組んでいるところでありますが、依然として大変厳しい状況であります。
 幸いにも、この4月より、産婦人科の医師1名が確保できることとなり、昨年7月より行っておりました分娩制限を解除するとともに、診療体制の充実が図れることとなります。引き続き、関係機関と連携を図りながら、救急医療体制の維持、継続のため、医師・看護師等の確保に向けて全力を挙げて取り組んでまいります。
 また、本年3月に策定いたしました「大田市立病院改革プラン」に示しております諸施策を速やかに実施し、早期に診療体制の充実が図れるよう努めてまいります。    

 次に、生涯を通じた健康づくりの推進についてであります。
 市民一人ひとりが生涯にわたって健全な心身を培い、健康の確保が図れるよう、新年度において食育推進計画の策定に取り組んでまいります。
 また、世界的な大流行が懸念される新型インフルエンザに迅速に対応するため、関係機関と連携を図りながら、行動計画並びに対応マニュアルを作成するとともに、蔓延防止のための啓発や感染防止用マスク等の備蓄に取り組んでまいります。

 次に、だれもが支え合い安心して暮らせる社会の実現についてであります。
 新年度は、第4期介護保険事業計画のスタートの年となります。必要とされる介護サービスの提供ができるよう、介護保険サービス基盤の充実に努めてまいります。
 障害者の福祉サービスの充実につきましては、引き続き、障害者の自立生活を支援するための利用者負担軽減、事業者の運営安定化に取り組んでまいります。
 そのほか、福祉バスの運行につきましては、大田市社会福祉協議会での運営を行うこととし、利用にあたっては大田市全域へ拡大するとともに、福祉タクシーの利用につきまして、新たに精神障害者の方を補助対象に加え、障害者などの社会参加の促進に努めてまいります。

 人権を尊重するまちづくりの推進につきましては、これまで全庁を挙げて人権行政施策を遂行するべく取り組んでまいりました。今後は、本年2月に策定しました「大田市人権施策推進基本方針」に基づき、市民一人ひとりが互いの人権を尊重し合い、差別のない社会の実現を目指し、一層の取組みを推進してまいります。また、昨年9月に行った「人権尊重都市宣言」の趣旨を踏まえ、石見銀山遺跡の世界遺産登録を契機とし、ユネスコの精神に基づき、様々な人権問題の早期解決に努めてまいります。

 第3は、「県央の中核都市にふさわしい、快適な基盤づくり」であります。

 まず、総合的な土地利用につきましては、山陰自動車道の早期整備に向け、引き続き、関連地域の地籍調査を優先的に実施します。

 次に、快適な都市環境の形成につきましては、公共下水道の整備推進に向けて大田、温泉津、仁摩、各処理区の着実な事業進捗を図るとともに、引き続き、浄化槽設置事業に取り組み、下水道等の普及を図ってまいります。なお、大田処理区は、新年度において供用開始の予定であります。
 また、市街地の浸水対策としましては、都市下水路の整備を進めてまいります。
 さらに、市街地内の円滑な交通の確保を図るため、栄町高禅寺線の整備に引き続き取り組みます。
 そのほか、良好な住環境の確保を図るため、新年度において、「大田市市営住宅マスタープラン」の策定に取り組んでまいります。併せて、建築物の耐震診断及び耐震改修の必要性等について、積極的に啓発を行うとともに、木造住宅の耐震診断費用の一部助成を実施し、耐震化率の向上に取り組んでまいります。

 次に、道路ネットワークの形成についてであります。
 山陰道は、地域間交流や産業の活性化はもとより、世界遺産効果を最大限に活かした観光アクセス道路として、また、救急医療や災害時の国道9号に代わる命の道路として、当市の自立発展に欠くことのできない道路であり、全線開通は市民の悲願であります。
 道路特定財源の一般財源化に伴い、道路財源確保が不透明な状況にありますが、大田・仁摩間の事業化及び山陰道の早期整備に向け、引き続き、関係機関に強く要望してまいります。
 また、国道、県道の整備促進に併せ、市道、広域農道など幹線道路網の整備につきましては、緊急度の高い路線を優先して整備を進め、道路ネットワークの形成に努めてまいります。

 次に、情報通信網の整備につきましては、本年度中に、ケーブルテレビ網を全市域に整備し、等しく行政情報を伝達する画期的な情報通信網を確立いたします。また、本年7月には石見銀山テレビ放送株式会社により、一部地域において放送が開始予定です。今後は、多くの市民の皆様にケーブルテレビをご活用いただけるよう、加入促進に向け取り組んでまいります。

 次に、安全な生活の確保についてであります。
 常備消防においては、高規格救急自動車・消防自動車等の更新整備・資機材の充実を図るなど、消防・救急救助体制の充実強化に努めるとともに、本年8月に大田市において開催される島根県消防大会・操法大会を通じて、消防団の更なる消防技術の向上と体制強化を進めてまいります。
 また、防災対策については、「大田市地域防災計画」に基づき、自主防災組織の育成に努めるとともに、総合防災訓練の開催を通じて、市民の防災意識の啓発に取り組んでまいります。なお、新年度においては、海難事故災害を想定した実地訓練を実施します。

  第4は、「石見銀山をはじめとする歴史をいかした創造的な人づくり」であります。 

 まず、世界遺産である石見銀山遺跡の保存と整備・活用についてであります。
 石見銀山遺跡を世界遺産にふさわしいものとして保存し、未来に引き継ぐため、継続して整備を進めるとともに、石見銀山の全容を明らかにするため、引き続き調査・研究に取り組んでまいります。
 そのため、昨年10月より、県・市で共同運営いたしております石見銀山世界遺産センターを中心に、調査研究を深め、その価値と魅力をより明らかにしつつ、鉱山と街道、港と港町など遺跡の総合整備を引き続き促進してまいります。
 特に、温泉津地区における町並み保存事業につきましては、重点的な取組みを進めてまいります。
 また、17年度より着手しております大森の町並みの無電柱化については、21年度末の完了を目指し、町並みの景観整備に取り組んでまいります。
 さらに、石見銀山遺跡を未来に引き継ぐため、引き続き、官民協働で募金活動に取り組み、石見銀山基金への積み立てを進め、その基金を活用し、遺跡の維持・保全活動など幅広い活動を展開してまいります。

 次に、豊かな心を育む学校教育の推進についてであります。
 児童生徒にとって望ましい学習集団を形成し、より良い教育環境の整備を推進していくため、昨年策定しました学校再編実施計画に基づき、引き続き学校再編を推進してまいりたいと考えております。
 また、児童生徒の更なる学力向上や不登校、特別支援教育等の様々な教育課題に対して、専門的・総合的に取り組むため、新たに教員を大田市の指導主事として教育委員会に配置することにより、学校教育を活性化し、魅力と活力ある学校づくりを進めます。
 さらに、市内全ての学校図書館に対し、新たに専任職員や図書館ボランティアを配置し、併せて市立図書館に図書検索システムを整備するとともに、学校図書館への支援職員を配置することにより、学校図書館と市立図書館との有機的な連携を図り、本を読むという取組みの全市展開を図ってまいります。
 そのほか、教育環境の整備につきましては、年次計画に基づき、久手小学校屋体の改築に向け、耐力度調査を実施するとともに、学校の耐震診断調査と補強設計などを計画的に実施いたします。
 また、老朽化しております市内の学校給食共同調理場につきましては、新施設の早期建設を前提として、東部共同調理場の調理業務につきまして民間委託を行います。

 次に、生涯学習推進体制の整備についてであります。
 公民館につきましては、4月より市内7つのコミュニティブロック単位を基本とした新たな公民館体制がスタートします。まちづくりセンターやまちづくり支援センターと密接に連携を図り、更なる社会教育や生涯学習活動の支援を行ってまいります。

 次に、生涯スポーツの振興についてであります。
 市民だれもが、生涯にわたり、健康で豊かなスポーツライフを実現するため、「大田市生涯スポーツ振興計画」に基づき、大田市体育協会と連携しながら、引き続きスポーツの振興に努めてまいります。

 芸術文化の振興につきましては、昨年策定した「大田市芸術文化振興計画」に基づき、当市の歴史ある文化の保存と継承に努めるとともに、難波利三ふるさと文芸賞10周年記念事業や大田市文化協会との協働によるモデル事業を新たに実施するなど、芸術文化のまちづくりを推進してまいります。

 第5は、「自然との共生や循環型社会を目指す生活環境づくり」であります。

 まず、自然環境の保全につきまして、昨年、条例改正いたしました大田市自然環境保全条例に基づき、絶滅のおそれのある希少動植物の保護に努めてまいります。 

 次に、ごみの減量化対策につきましては、平成23年度からの供用開始を目指し、プラスチック製容器包装リサイクル推進施設の整備に着手するとともに、分別への意識啓発に努め、再資源、再利用化を進めてまいります。
 不燃物処理につきましては、新たな不燃物処理場の整備に向けて、引き続き、地域住民の皆様のご理解をいただくよう努めてまいります。

 新エネルギーの導入につきましては、平成19年度に策定した「大田市地域新エネルギービジョン」に基づき、環境負荷の少ないエネルギーの導入に向けた取組みを推進してまいります。特に、交通部門での取組みとして、石見銀山地内を走る路線バスとしてのハイブリットバス導入の支援を行うとともに、市の公用車として電気自動車を導入いたします。
 さらに、地球温暖化の原因となる温室効果ガスの削減にむけ、新年度において地球温暖化対策地域推進計画の策定に取り組んでまいります。

  第6は「参画と協働によるまちづくり」であります。

 まず、市民との協働によるまちづくりの推進につきましては、市内7ブロックに設置しております「まちづくり委員会」の取組みを引き続き支援してまいります。
 また、市と市民活動団体が協働して、公共サービスを提供していく仕組みづくりを進めてまいります。
 さらに、協働と参画を進める上においては、市民と行政との行政情報の共有化が必要と考えます。情報公開はもとより、より多くの行政情報を分かりやすく、スピーディーに発信するよう、この4月よりホームページをリニューアルするなど、「開かれた行政」に努めてまいります。

 次に、地域サポート体制の充実については、4月より、「まちづくり支援センター」と「まちづくりセンター」がスタートいたします。「まちづくり支援センター」に、市職員を配置し、積極的に地域に出向き、市民の皆様と一緒になって、まちづくりを進めてまいります。

 さらに、定住対策の一環として、交流人口の拡大に向け、かねてから譲渡の申し出のありました川合町忍原地内の古民家を田舎暮らしや農業を体験できる交流体験施設としての整備を含め、利活用について検討してまいります。
 また、11月には近隣の自治体と協力し、「交流から始まる新たな感動」をテーマに、農村の魅力を全国に発信する「水源の里シンポジウム」を開催する予定としております。

 次に、効率的な行財政運営と改革の推進についてであります。
 新年度は、「大田市行財政改革推進大綱」並びに「大田市行財政改革集中改革プラン」の最終年度となります。真に必要な市民サービスを最小の経費で最大の効果が生じるよう提供するため、限られた経営資源を有効かつ効率的に活用し、明確な目的意識に基づく行政運営に努め、着実に行財政改革を進めてまいります。
 また、新年度におきましては、22年度から5ヵ年の新たな大綱並びに集中改革プランの策定に取り組んでまいります。
 職員の定員管理につきましては、引き続き「大田市定員適正化計画」に基づく取組みを行うとともに、柔軟で効率的な組織を目指した組織・機構の見直しに取り組んでまいります。
 また、「大田市職員人材育成基本方針」に基づき、職員の意識改革と資質の向上、並びに時代や環境の変化に対応できる人材の育成に努めてまいります。
 財政運営の健全化に向けましては、財政健全化計画基本方針に基づき、21年度より3ヵ年を集中健全化期間として、抜本的な財政健全化の取組みを進めてまいります。

(予算案)

 続いて、今回提案いたしました平成21年度大田市予算案について申し述べます。
 一般会計のほか、11の特別会計、2つの公営企業会計の予算案を上程いたしております。
 いずれも、大田市総合計画及び行財政改革集中改革プランに基づく事業構築を行い、歳出全般にわたり見直しを行い、ムダを徹底して省き、財政健全化に向けた基本的な方向性を維持する一方、百年に一度といわれる現下の経済危機に対応するため、平成20年度に引き続き緊急雇用対策として、緊急雇用創出事業及びふるさと雇用再生特別交付金事業を当初予算に計上いたしております。
 これにより、平成21年度一般会計当初予算の総額は、212億8,000万円となり、対前年度13億円、6.5%の増となっております。
 また、平成20年度2月補正予算において措置いたしました緊急経済対策費は、その全額を繰越明許費といたしておりますので、21年度においても引き続き、国県の取組みと緊密な連携を図り、また市独自の取組みも盛り込みまして、積極的に緊急経済対策を講ずるものであります。
 なお、平成20年度で措置いたしました緊急経済対策費等の繰越事業を加えますと、実質的な平成21年度の予算規模は総額約237億7千万円、対前年度19%の増となるものであります。

 予算案のほか、条例案件、一般案件の諸議案を本議会に提案いたしております。詳細につきましては、主管部長並びに担当課長に説明させることといたしますので、充分にご審議賜りますようお願い申し上げます。

 以上、新年度に向け、市政運営に関する私の所信の一端を申し上げました。

 今日、経済社会は百年に一度あるかないかと言われる危機的な状況下にあります。
 また、今、明治維新以来の大転換期であり、正に暴風雨の中で、歴史の峠にさしかかっています。峠を越えると違った景色が見えますが、それがどんな景色なのか、峠を越えるのに何年かかるのか、未来の予測が困難な時代です。
 しかしながら、私はどんな社会になろうともコミュニティがしっかりした進取の精神溢れるまちにしなければならないと思います。
 イタリアが経済不況に陥った時、北は乗り越え、南は乗り越えることができませんでした。それは一言で言えば人々に絆があるかどうかということでありました。
 かっての日本を訪れた外国人の印象記に「貧しいけれど、やさしさ、心のゆとりが日本人にはある、何よりも子どもたちの笑顔があふれている」と記されていることが、今、改めて思い起こされます。
 子どもたちの元気な声がこだまする地域は活力ある地域です。子どもたちは、地域で育ち、地域には支え合いがありました。
 今日の日本の社会、そして私たちの地域社会、支え合い、絆、コミュニティがどうなのか、改めて問い直す時に来ているのではないかと思います。
 地域には様々な課題があります。子どもたちの教育、子育て、安全・安心の問題、防災や集落維持、福祉、伝統文化の継承等々、新年度、このような地域課題の解決に向け、市民の皆様にもご参加いただき、行政も地域に出掛け、共に力を合せて取り組むという、新たな体制でまちづくりがスタートします。
 この参画と協働のまちづくりを通じ、何よりも大切にしなければならないことは、地域のコミュニティ、絆だと思っています。
 そのことを基本に据えながら、厳しい時代、不撓不屈の精神で新しいまちづくりを推進してまいります。

 市民の皆様、議員各位のご理解とご協力を重ねてお願い申し上げ、施政方針並びに提案理由の説明を終わります。

この記事に関するお問い合わせ先

〒694-0064 島根県大田市大田町大田ロ1111番地
大田市役所 総務部 政策企画課
電話番号:0854-82-1600(代表)
ファックス:0854-82-6667

メールでのお問い合わせはこちらから