市長施政方針並びに提案理由説明要旨(平成23年3月市議会定例会)
(作成・更新: 2011年3月3日)
(はじめに)
本日ここに、平成23年第2回大田市議会定例会の開会にあたり、今後の市政運営に関する私の所信の一端を申し上げ、市民、そして市議会議員各位のご理解とご協力を賜りたいと存じます。
私が、新生「大田市」の初代市長に就任してから、はや5年が経過いたしました。この間、本市の地域特性を活かした一体感のあるまちづくりを基本理念に、「大田市総合計画」をはじめ、様々な分野の計画を策定し、新生「大田市」の発展と飛躍に向け、行財政改革を進めながら、新たなまちづくりに渾身の努力を傾注してまいりました。
特に、定住促進やその柱としての産業振興、子育て支援をはじめ、情報通信網、道路、公共下水道などの産業、生活基盤の整備、更には、市内全域にまちづくりセンターを設置するなどの新たな地域づくりの体制とし、地域課題の解決に向け、市民と行政との協働によるまちづくりを推進してきたところであります。
新年度におきましても、市政発展の基礎を固め、活力ある大田市づくりに向け、諸施策を着実に前進させてまいりたいと存じます。
また、国内外の社会経済情勢がめまぐるしく変化する今日、新生大田市が誕生し既に5年が経過しましたが、これを一区切りといたしまして、これまでの取り組みを検証し、総合計画に掲げたテーマであります、『自然・歴史・ひとが光り輝く だれもが住みよい 県央の中核都市』の実現に向け、改めて、今後5年間の施策や事業を検討、構築してまいる所存であります。
地域医療の確保をはじめ重要課題が山積する本市にとりまして、大変重要な時期を迎えており、その職責の重大さに身が引き締まる思いでありますが、本市が進むべき方向をしっかりと見据え、お約束したマニフェストの実現と総合計画、過疎計画に掲げました重点事業の推進に向け、勇往邁進する覚悟であります。
(基本方針)
続いて、私が市政を進めるにあたりまして柱となる基本方針について申し述べます。
1点目は、経済対策についてであります。
最近の我が国の経済情勢は、景気に足踏み状態があるものの、一部においては持ち直しに向けた動きがみられております。しかしながら、失業率は高水準にあるなど依然として厳しい状況にあります。
こうした厳しい経済情勢に対応するため、本年1月には国の第1次補正予算に盛り込まれた施策と歩調を合わせて、積極的に追加の経済対策にかかわる補正予算を編成したところでありますが、新年度予算においても経済対策に充分に配慮し、切れ目なく進めてまいる所存であります。
今後とも地域経済の活性化を最重要課題に取り組んでまいります。
2点目は、国と地方との新たな関係についてであります。
政府は、公共事業費の抑制や、子ども手当、農業戸別所得補償制度等のマニフェストで示された政策を反映した予算を編成する一方で、政策決定手法のさらなる見直しや手続きの変更など、大胆な方針転換を進めており、地方行財政を巡る状勢も大きく変わろうとしております。
また、地方自治体にとって重要な「地域主権改革」は、自治体への義務付けや枠付けの見直し、更に、平成24年度から実施される予定である市町村への一括交付金制度など新たな改革として推進されようとしています。
今後もこうした国の動向を注視しながら、関係機関などと連携し、国政の場に地方の声をしっかり伝え、市民の立場と視点に立って、施策を展開してまいります。
3点目は、「大田市総合計画」についてであります。
新年度においては、前期計画が最終年度となり、計画の検証や住民アンケートなどを踏まえて、平成24年度からの後期5カ年の基本計画並びに実施計画を策定することとしております。
4点目は、当市の抱える喫緊の課題についてであります。
4項目について申し上げます。
まず、医療問題についてであります。
大田市立病院につきましては、昨年4月に、外科、整形外科の常勤医師が不在となり、救急指定病院の告示を取り下げることになるなど、病院運営に大きな変化が生じたところであります。
こうした中、「医師招へい」につきましては、医療従事者確保対策室を設置するなど、これまで以上に幅広い活動を続け、その成果として消化器内科医の赴任をいただいたところですが、現状は、依然として厳しい状況にあります。
地域住民が安心・安全に暮らすための医療を提供する公立病院としての役割・使命を果たすため、今後に向けまして、現在の医療資源・医療機能の中で、いかに最善のサービスが提供していけるかどうかについても検証しながら、各種支援策を有効かつ積極的に活用いたしまして、地域住民の信頼に応える医療体制の構築を目指してまいります。
また、新年度においては、医療政策に係る組織体制のさらなる強化を図り、島根大学医学部など医療機関への積極的な要望活動はもとより、島根県並びに周辺自治体、関係機関と力を合わせ、市民の皆様にもご支援をいただきながら、全力で取り組んでまいります。
2番目は、学校再編についてであります。
昨年の8月より統合準備を進めておりました温泉津地域の4小学校につきましては、いよいよ本年4月に新「温泉津小学校」として開校の運びとなりました。子ども達が育ちあう望ましい学習集団を形成し、より良い教育環境の整備と、魅力と活力ある学校づくりに引き続き取り組んでまいります。
3番目は、大田市駅周辺東側の新たなまちづくりについてであります。
大田市駅周辺土地区画整理事業は、大田市の表玄関にふさわしいまちづくりとして、幹線道路整備や住環境整備を目的に、平成8年から東西の分割施工により事業着手を行い、平成18年に駅西側及び駅北側の整備を終えております。
残る駅東側につきましては、区画整理事業に変わる整備手法として、居住者・関係者の皆様の参加による新たなまちづくりについて多方面から計画検討作業に着手しております。
この東側地区の特徴を生かしたまちづくりや、今後の中心市街地のまちづくりの在り方も含め、関係する都市計画道路の見直し、公共下水道整備や雨水対策等、総合的な都市基盤整備に向けて積極的に取り組んでまいります。
4番目は、大田市民会館についてであります。
昨年末から本年2月までに「大田市民会館の『耐震補強計画』検討会」を開催し、市民の皆様方から様々なご意見をお聞きしたところです。こうしたご意見を参考に検討した結果、市民会館は耐震補強工事を実施することといたしました。
併せまして、建物の機能強化を図り、また、県央地域の文化施設としての拠点性を高めていきたいと考えており、その具体策につきましては、引き続き新たな協議の場を設けるなど、今後、検討してまいります。
また、市民会館が休止に向かうことによって生ずる当面の様々な課題にも十分対応してまいりたいと考えております。
(主要施策の概要)
以上、4点にわたり申し述べました市政運営の基本的な考え方を踏まえまして、「大田市総合計画」に掲げる6つの基本方針に沿って、主要施策の概要について申し上げます。
第1は、「地域資源のネットワークによる活発な産業づくり」であります。
私は、市長就任以来、「産業の活性化なくして地域の自立発展なし」との考え方を一貫して申し上げております。
「産業活力漲るおおだの実現」を目指し、引き続き産業振興を最重要課題として取り組んでまいります。
まず、『「誇れる」大田ブランドづくりの推進』についてであります。
三瓶山をはじめとする豊かな自然、石見銀山遺跡に代表される歴史、文化などの地域資源を有効に活かし、地産地消の啓発に一層力を注ぐとともに、大田市産品の更なる販路拡大に向けた取り組みを行ってまいります。
次に、『地域一体での「もてなし」の充実による産業の振興』についてであります。
観光産業の振興は、当市における産業全体の活性化において重要な要素であると考え、世界遺産石見銀山遺跡、国立公園三瓶山、温泉津温泉、琴ケ浜をはじめとする大田市海岸などの恵まれた観光資源を活かし、周遊、滞在型観光の構築に取り組んでまいります。
石見銀山につきましては、「歩く観光」を一層促進することとし、その一環として既存のサイン等を全面改訂し、統一したサイン表示にすることで、更なる観光客の入込みを図ってまいります。
三瓶地域につきましては、北の原、西の原、東の原及び三瓶温泉を含む4つのエリアからなっており、各エリアの機能設定を明確にし、特徴を活かした施策を年次的に展開してまいります。新年度は、特に、北の原エリアについて島根県から取得いたしました北の原キャンプ場と、こもれびの広場バンガローの一体的な管理運営を目指すとともに、エリアの魅力向上を図ります。更に、4つのエリア間の連携を促し交流人口を拡大するためのイベント等も引き続き実施してまいります。
また、古事記編纂1300年を迎える平成24年を目途に、歴史文化に彩られる島根の魅力、大田市の魅力を全国にアピールするため、島根県が展開している大型観光キャンペーン「神話のふるさと『島根』推進事業」に積極的に参画してまいります。
次に、『核となる技術や資源を「活かした」新産業創出と産業集積』につきましては、メイドイン大田創出支援事業、産業振興アドバイザー事業などの実施により、新技術や新産業の創出を図り、併せて、ふるさと大田創業支援事業などの実施により、地域産業の活力向上のための取り組みを支援してまいります。
次に、『地域や環境にやさしく未来へ「つなげる」産業の推進』についてであります。
農家の高齢化や担い手不足が顕在化する中、儲かる農業の仕組みづくりや担い手確保は喫緊の課題であり、農業振興に向けた施策を強力かつ集中的に進めていくために、大田市農業の指針となる「大田市農業活性化プラン」を策定いたします。
また、4月にオープンしますロード銀山生産物直売棟につきましては、地産地消の拠点施設として、指定管理者である石見銀山農業協同組合と連携し、大田市産品の販売のみならず、食や農の情報提供に積極的に取り組みます。
更に、農業担い手支援センターを中心として、農業の担い手となる認定農業者の育成のほか、「中山間地域等直接支払交付金」を積極的に活用し、担い手不在集落の解消や生産振興に向けて取り組んでまいります。
国においては、食料自給率の向上と農業の多面的機能の維持を目的として、農業者戸別所得補償制度の本格実施が計画されており、水田農業を中心とした地域農業の振興及び制度の円滑な実施に向け、関係機関と協力して推進してまいります。
畜産振興につきましては、引き続き肉用牛振興や放牧を推進するとともに、平成24年度に長崎県で開催される全国和牛能力共進会への出品を目指し、候補牛の掘り起こしや改良を進めてまいります。
水産業につきましては、漁業協同組合JFしまねにおいて、新たに統合市場として「和江水産物地方卸売市場」の建設が決定されました。漁業経営の安定と地域産業の活性化、地産地消の推進のため、積極的に支援してまいります。併せて、漁港整備やアクセス道路につきましても、早急に整備が進むよう島根県に対して強く働きかけてまいります。
また、昨年より実施しております小型底びき網漁船の減船事業につきましては、将来にわたって足腰の強い経営体をつくり、資源保護を進めていくためにも、市として引き続き推進してまいります。
次に、『戦略的な企業誘致活動の推進と「攻める」体制の強化』についてであります。
依然として国内経済は厳しい状況が続いておりますが、新興国の経済成長に呼応して、企業の海外進出が加速する半面、国内の設備投資動向も改善の兆しにあります。引き続き地元企業のフォローアップに努めるとともに、波根地区工業団地につきましても、島根県内でも特に安価な分譲価格の設定や土地リース制度の創設をアピールポイントとして、県外企業の誘致をはじめとした企業集積を促進してまいります。
次に、『次世代を「担う」人材育成の推進』につきましては、各企業のニーズに即した研修実施を支援し、企業人としてのスキルアップを図ります。更に、大田地域人材確保促進協議会や、本年4月に移譲を受ける島根中央地域職業訓練センターをより一層有効活用し、次世代を担う人材の育成に努めます。
第2は、「だれもが住みよく、安心・やすらぎを感じる生活づくり」であります。
まず、『子どもを健やかに産み育てることができる環境づくり』についてであります。
すべての市民が子育ての喜びを実感できるまちづくりを目指して、子育て家庭への幅広い支援策を推進してまいります。
第3子以降の3歳未満児の保育料の無料化や保育料の軽減、子どもの医療費に係る保護者負担の軽減につきましては、引き続き実施してまいります。
保育サービスにつきましては、休日保育や延長保育などの特別保育事業を引き続き実施するとともに、待機児童の解消に向けて平成22年度より山陰地方では初めて導入しました「保育ママ制度」の拡充を図ってまいります。
児童の放課後対策については、放課後児童クラブの拡大を図り、子どもの居場所づくりを進め、仕事と子育ての両立支援を行ってまいります。
また、新たに子育て拠点づくり事業として、地域で行う子育て支援活動に対して助成を行い、地域における子育て力やコミュニティーの活性化を図ってまいります。
次に、『生涯を通じた健康づくりの推進と地域医療の充実・確保』についてであります。
市民一人ひとりが、こころの健康問題や自殺に関する正しい知識を持ち、身近な問題としてとらえ、早期に相談や治療に結びつくよう啓発に努めてまいります。
食育の推進につきましては、食育推進のリーダーとして地域で食育活動を自主的に実施する食育ボランティアの育成に取り組みます。
また、本市の死亡原因の第1位であります、がん死亡の減少のため、検診を受けやすい体制づくりに努めるとともに、子どもたちの健やかな成長を願い、子宮頸がん予防ワクチン、ヒブワクチン及び小児用肺炎球菌ワクチンの予防接種に取り組みます。
地域医療提供体制につきましては、市内開業医の皆様の協力を得まして、輪番制による休日診療の実施や、24時間いつでも医療や健康などの相談、最寄りの医療機関の紹介を受けられる無料電話相談の実施などを引き続き実施してまいります。
また、将来の医療従事者確保のため、島根大学医学部等の地域枠学生との意見交換の実施、市内中学生を対象とした医療の重要性の理解と、医療関係の職種を目指す動機付けを行うための講演会を実施するなど、将来の医療従事者確保に努めてまいります。
次に、『だれもが支え合い安心して暮らせる社会の実現』についてであります。
まず、介護保険施策につきましては、当市の状況や介護保険制度の動向に留意しながら、第5期介護保険事業計画の策定を進めてまいります。
障がい者施策につきましては、障がい者が安心して自立した日常生活や社会生活を営むことができるよう地域生活の支援を行ってまいります。また、障がい者の福祉サービスの充実につきましても、引き続き障がい者の自立生活を支援するための利用者負担の軽減、事業者の運営安定化に取り組んでまいります。
次に、『人権を尊重するまちづくりの推進』につきましては、「大田市人権施策基本方針」「大田市人権尊重都市宣言」の趣旨並びに、「平和と人権尊重のユネスコの精神」に基づき、様々な人権問題の早期解決に努めてまいります。
また、市民一人ひとりが互いの人権を尊重し合い、「差別のない社会・温もりのあるまちづくり」の実現を目指し、引き続き教育・啓発活動等に取り組んでまいります。
第3は、「県央の中核都市にふさわしい、快適な基盤づくり」であります。
まず、『快適な都市環境の形成』についてであります。
公共下水道など汚水処理施設は、快適な生活環境や水環境の向上に不可欠な施設であります。引き続き公共下水道大田、温泉津、仁摩の各処理区の着実な事業進捗を図るとともに、浄化槽設置事業に取り組んでまいります。
また、温泉津町の温泉街地区においては、これまで幾度か浸水被害を受けていることから、公共下水道の整備に併せた浸水対策を検討してまいります。
住環境の整備につきましては、木造住宅耐震診断事業の継続と、新たに「耐震改修事業」を盛り込み、耐震化の促進を図ってまいります。
次に、『人・物の交流を支える道路ネットワークの形成』についてであります。
山陰自動車道の整備につきましては、国の財政事情などにより、大変厳しい状況ではありますが、その中においても仁摩温泉津道路は、(仮称)湯里インターチェンジから(仮称)福光インターチェンジの間が平成25年度に、さらに仁摩インターチェンジから湯里インターチェンジの間が平成26年度に供用開始され、これにより仁摩温泉津道路全線完成との方針が出されたことは、本市における高速道路網整備に向けた大きな前進であると歓迎するとともに、今後、更なる区間の供用開始に繋がるものと期待するところであります。引き続き未着手区間の早期事業化と悲願であります全線開通に向けまして、これまで以上に島根県、関係市町と連携を密にし、関係機関に対して強く要望してまいります。
次に、『生活の質を高める情報通信網の整備・活用』につきましては、平成21年11月より市内全域でサービス提供をしておりますケーブルテレビ網により、本年7月に迫りました地上デジタル放送への移行に対応するとともに、高速インターネットの利用が可能となっております。
市民の皆様にケーブルテレビへご加入いただき、活用いただけるよう、引き続き初期費用軽減のための加入者補助並びに音声告知端末の補助を実施するとともに、高度情報通信基盤を活用し、迅速で的確な行政情報の提供と質の高い住民サービスの導入に向けた検討などに取り組んでまいります。
次に、『安全な生活の確保』についてであります。
火災、風水害、震災害等に対し、市民が安心して生活できるまちづくりを目指して、消防防災体制の強化に努めます。
特に、防災拠点施設であります消防庁舎につきましては、平成25年度を目途とした移転新築に向けて、新年度は用地購入や設計業務に着手いたします。また、電波法の改正により消防の救急無線をデジタル化とする必要があるため、庁舎の移転新築に併せて施設整備を行い、新年度は実施設計に着手いたします。
救急救命率の向上につきましては、救急救命士の養成と病院研修、高規格救急自動車の更新整備により救急業務の高度化を図り、医療機関との連携を密にしてまいります。併せて、消防ポンプ自動車、各種資機材の更新整備を図り、迅速で的確な消防活動体制の充実、強化に努めます。
また、災害の予防に重点をおいて、自主防災組織の拡充と育成に努めるとともに、防災訓練や学習会などを開催し、市民の防災意識の啓発に取り組んでまいります。
第4は、「石見銀山をはじめとする歴史文化を生かした創造的な人づくり」であります。
まず、『世界に誇る石見銀山遺跡の保全と貴重な歴史・地域文化の振興』についてであります。
世界遺産「石見銀山遺跡とその文化的景観」を確実に未来に引き継ぎ、地域へ活かすため、「石見銀山学」の体系立てを進めるとともに、「石見銀山学」が市民や子どもたちの教育・学習教材ともなるよう取り組みを進めてまいります。また、遺跡整備につきましては、遺構が集中する石(いし)銀(がね)地区や港町の整備など必要な事業を継続してまいります。
世界遺産センターは、本年4月から指定管理者による施設の管理となりますが、調査研究部門など引き続き島根県並びに市職員による直営で行い、世界遺産の現地拠点施設として充実させてまいります。
また、石見銀山基金につきましては、多くの皆様による募金活動などにより、平成22年度末で2億円を超える見込みとなりました。基金の活用につきましては、団体、学校などから新年度第1回の募集に対して様々な事業の応募があり、NPO法人石見銀山協働会議による選定委員会での公開審査会を行い、基金による民間事業が始まることとなります。
次に、『豊かな心を育む学校教育の推進』についてであります。
まず、学校教育の充実につきましては、様々な教育課題に対処するため教育相談事業を充実強化し、いじめ、不登校の対策や特別支援教育等の早期からの支援体制を関係機関と連携を取りながら整備するとともに、児童生徒の確かな学力の定着に向け、学力調査への参加、学習習慣サポーターを配置するなど学習環境の整備に取り組んでまいります。
また、引き続き学校に司書等を配置して支援体制を充実させ、学校図書館の機能を高め、その利活用を促進しながら読書活動を推進し、子ども達の豊かな心、生きる力を育ててまいります。
教育環境の整備充実につきましては、仁摩中学校校舎の耐震化と改修に向けて取り組んでまいります。
校庭の芝生化については、子ども達の運動機会の増加と情操の向上、生活、学習環境の改善に期待して、市内で初めて久手小学校屋外運動場をモデル校として取り組んでおりますが、これの維持管理については、学校はもとより、保護者や地域の皆様のご理解ご協力をいただきながら進めてまいります。
学校給食共同調理場につきましては、市内1センターとし、平成24年4月稼動に向けて、民間事業者によるリース方式で具体的な整備を進めてまいります。
次に、『いつでも学べる生涯学習社会の実現』についてであります。
社会教育、生涯学習活動につきましては、市内7つの公民館を軸に、引き続きまちづくりセンターなどと連携しつつ、特に、学校、家庭、地域の連携を高める諸活動を協働してまいります。
市立図書館につきましては、通常の蔵書更新に加え、古事記編纂1300年に係る神話関連、世界遺産関連などの諸資料購入に努めてまいります。また、子どもの読書環境充実のため、とりわけ幼稚園、保育園への貸出用として絵本の購入を図ります。
次に、『生涯にわたるスポーツライフの実現』につきましては、総合型地域スポーツクラブの活動支援や拡充強化を通して生涯スポーツの啓発を図り、大田市体育協会やスポーツ団体とともにスポーツの振興に努めてまいります。
第5は、「自然との共生や循環型社会を目指す生活環境づくり」であります。
まず、『自然と共生したまちづくりの推進』につきましては、希少動植物や大田市の恵まれた自然環境の保全を図り、引き続き自然と共生したまちづくりの推進に努めます。また、地球温暖化対策の取り組みとして、事業者の協力をいただく中でレジ袋の有料化が行われたところですが、引き続き市民の皆様への情報提供や啓発活動を実施するとともに、二酸化炭素の排出量削減を進めてまいります。
次に、『廃棄物等の処理と再資源化の促進による循環型社会の構築』についてであります。
循環型社会の構築を目指して、プラスチック製容器包装の分別収集を新年度から市内全域で開始し、3R(発生抑制、再使用、再生利用)の更なる推進を図り、一層のごみの減量化を進めてまいります。
また、新不燃物処分場につきましては、地権者の方々や地元の皆様のご理解とご協力をいただく中で、平成25年度の供用開始に向け、新年度は用地造成並びに建設工事に着手してまいります。
新エネルギーの導入につきましては、太陽光発電設備について一般家庭や事業所への導入に対する助成に加え、公共施設への整備を進めてまいります。
次に、『飲料水の安定的な確保と供給』についてでありますが、安全で安心な水を安定的に供給するため、未給水地域での飲料水安定確保対策事業並びに石綿管などの老朽管更新事業等により、施設整備を進めるとともに、有収率の向上を図るなど効率的な事業運営に努めてまいります。
また、2月に発生しました水道管破損事故につきましては、長時間にわたる断水となり、多くの市民の皆様、利用者の皆様に大変なご不便とご迷惑をおかけしたところであります。あらためて深くお詫びを申し上げます。今後につきまして、このたびの事故を教訓に、原因究明の上、危機管理体制の見直しや大規模な断水発生時のマニュアル作成に取り組んでまいります。
第6は「参画と協働によるまちづくり」であります。
まず、『協働によるまちづくり』についてであります。
市内7ブロックにまちづくり委員会を設置し、また、地区ごとにまちづくりセンターを配置して、徐々に地域の特性や資源を活かした取り組みが進められておりますが、一方で、ブロックによっては必ずしも地域住民の声が反映されず、また、ブロック内の各地区を横断する地域課題の解決に至らない等の問題も見え始めているところであります。新年度は、第2期まちづくりの最終年にあたり、これまでに生じている問題点を踏まえ、地域サポート体制のあり方を含め、より市民主体の地域ニーズに基づいた「誰もが住んでよかったと思えるまちづくり」が実践されるよう支援体制を再構築してまいります。
定住対策としましては、過疎高齢化が進み、人口減少に容易に歯止めがかからない現状を踏まえ、平成22年度より実施しております奨励金制度を強化し、UIターン者への支援及び空き家改修を進めるとともに、空き家活用の促進を通じて移住環境を整え、農林水産業などの体験や自然、地域、人に触れていただく「田舎体験ツアー」を実施するなど、「田舎ツーリズム」の事業を積極的に展開し、定住増に向けた取り組みを進めてまいります。
次に、『効率的な行財政運営と改革の推進』についてであります。
厳しい財政や地域経済の状況の中で、市民サービスを安定的に提供できる弾力的な財政基盤を構築するため、引き続き「第2次大田市行財政改革推進大綱」並びに「実施計画」による徹底した行財政改革を推進してまいります。特に、収納対策につきましては、市民負担の公平性の確保に努め、収納率の向上並びに自主財源の確保を図ってまいります。
また、市民の利便性を図るため、パスポートの発給事務につきましては、本年10月より新たに島根県から権限移譲を受けまして、その事務を執り行います。
更に、新年度より、事務事業評価につきましては、「第三者の視点・評価」を導入いたしまして、客観性・透明性・納得性のある市政運営に努めていくことといたします。
職員の定員管理につきましては、「大田市総合計画」に掲げる重点事業や行政ニーズが増大している分野など、緊急度、優先度を勘案して重点的に職員配置を行うなど、適正かつ効率的な職員配置に努めるとともに、柔軟で効率的な組織となるよう組織機構の見直しに取り組んでまいります。
また、「大田市人材育成基本方針」に基づき、職員の意識改革と資質の向上、時代や環境の変化に対応できる人材の育成を図ります。
財政運営の健全化に向けましては、将来の財政負担を軽減するため、市債の繰上償還を実施してまいります。
以上、6項目にわたり主要施策の概要について申し述べました。
(予算案)
続いて、今回提案いたしました平成23年度大田市予算案について申し述べます。
一般会計のほか、平成22年度をもって廃止となる老人保健医療事業特別会計を除く10の特別会計、2つの公営企業会計の予算案を上程いたしております。
歳入につきましては、新市誕生後5年間において「固定資産税」及び「軽自動車税」について不均一課税でありましたが、新年度から均一課税といたすものであります。これまで以上に納税者の皆様の視点に沿った「公平な課税」に一層努めてまいります。
歳出につきましては、いずれも、「大田市総合計画」並びに「大田市過疎地域自立促進計画」に基づく事業構築を行う中で、昨年12月にお示しした中期財政見通しによる厳しい財政状況を鑑みながら、事業の聖域なき見直しによる歳出の削減、公債費の縮減と実質公債費比率の抑制、並びに基金残高の確保に向けた取り組みを進める一方、市民の安全・安心を確保するための基盤となる新たな事業をはじめ、子育て支援や産業振興、教育、環境などの分野において、引き続き重点的な取り組みを進め、市民だれもが幸福を感じることのできるまちづくりを推し進めるものであります。
以上の方針のもとに編成いたしました平成23年度一般会計当初予算の総額は214億9千万円となり、対前年度2億9千万円、1.4%の増となっております。
これら予算案のほか、条例案件、一般案件合わせて27件の議案を本会議に提案いたしております。詳細につきましては、主管部長並びに担当課長に説明させることといたしますので、何とぞ、慎重にご審議の上、適切な議決を賜りますようお願い申し上げます。
なお、昨年の決算審査特別委員会の指摘事項等につきましては、これに留意しながら予算編成を行ったところでありまして、その処理状況については、お手元に調書を配布いたしております。
最後になりましたが、市民、そして市議会議員各位のご理解とご協力を重ねてお願い申し上げまして、私の施政方針並びに提案理由の説明を終わります。
〒694-0064 島根県大田市大田町大田ロ1111番地
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